疲れているはずなのに寝ない。お昼寝したがらなくなった。朝早くに起きてしまう……。
子どもの睡眠リズムの変化にともなうお悩みについて、専門家と一緒に考えます。

専門家:榊󠄀原洋一(お茶の水女子大学名誉教授・小児科医)
加藤祐見江(健康相談員)

【目次】
子どもの睡眠時間が減った!
「お昼寝」は絶対に必要なの?
一定の時間に寝起きする習慣をつくるために

子どもの睡眠時間が減った!

娘は、1歳になってから急に睡眠時間が短くなりました。夜9時に寝て、深夜12時に起き、そのまま朝まで……ということも。泣いたりぐずったりするわけではないのですが、睡眠時間が短くて大丈夫かなと心配です。

子どもが元気なら問題ない 

ポイントは、日中子どもが元気でいられているかどうか。元気ならば問題ありません。子どもは寝たいときに寝るので、基本的に寝不足にはなりません。とても体力があり、平均で10時間寝るところを5時間程度で満足する「ショートスリーパー(睡眠時間が極端に短い人)」と言われる子どもも中にはいます。日中、お子さんが元気に過ごせているかどうかを見ながら、睡眠リズムを整えていきましょう。(榊原洋一さん)

「夜はリラックス」で睡眠習慣を

思春期になって困らないように、少しずつ生活のリズムを整えることも大切です。「夜はリラックス」を心がけ、部屋を暗く静かにして、早めに寝る生活習慣にしていきましょう。(加藤祐見江さん)

「お昼寝」は絶対に必要なの?

3歳8か月になる息子。平日はこども園でお昼寝をしていますが、休日は寝ようとしません。お昼寝をしないままだと夕方に必ずぐずります。

昼寝はしなければいけないものではない 

子どもは成長にしたがって、昼は起きて夜は寝るように、眠りがまとまっていきます。ただ、昼間は長いので、ちょうど中間に眠くなる時間帯があります。そこで昼寝をするわけです。
子どもの昼寝の平均時間を調べると、次のようになっています。

ただし、これはあくまでも平均。昼寝には個人差があり、まったく寝ない子もいれば、保育園でなら寝るという子も。いろんなお子さんのリズムによるもので、昼寝をしなくてはいけない、ということはありません。(榊原洋一さん)

気分を「寝る方向」へ向けるには 

気分を「寝る方向」へ向けるには、昼寝であってもパジャマに着替えたり、部屋を暗くするとよいと思います。「寝なさい」と強制しようとするより、「お昼寝ごっこをしよう」などと誘ってみると子どもは寝やすいかもしれません。(加藤祐見江さん)

一定の時間に寝起きする習慣をつくるために

・昼寝が長すぎて夜が遅く……

2歳10か月の息子が、昼寝で2~3時間ほど眠ってしまい、そのせいか夜眠れなくなるようで困っています。

お昼寝は午後3時までに切り上げる 

いずれ小学校に上がることを考えると、生活全体でみてお昼寝の時間は午後1時~3時頃がちょうどよいと思います。夜に響かないように、遅くとも午後3時にはお昼寝を切り上げてください。(加藤祐見江さん)

深い眠りになる前に起こす 

レム睡眠のときに起こすと、目が覚めやすいです。深い眠りに入ると、起こしてもなかなか起きず、起きてから機嫌が悪くなったりします。お昼寝のときは、深い眠りになる前に「さぁ起きましょう」と起こしてあげるとよいでしょう。(榊原洋一さん)

・子どもが早起きすぎる!もう少し遅く起きてもらうには?

3歳8か月の息子が朝の5~6時には起きてきます。夜寝る時間が多少遅くなっても、起きる時間は変わりません。

早起きをほめたうえで、「まだ寝る時間だよ」と伝える 

早起きはよいことなので、まずは「早起きしてえらいね」とほめてあげましょう。そのうえで「まだ寝る時間だよ。みんな静かに寝てるよ。一緒に寝ようね」と声をかけて寝ることをうながしてください。(加藤祐見江さん)

睡眠時間が短い子どもの場合、遅めに寝て調整することも 

子どもは寝たい時間に寝て、起きたい時間に起きます。とはいえ、いずれ小学校に行くので、社会生活に合った時間帯で生活できるようにだんだん慣らしてあげることが望ましいです。個人差の大きな睡眠をどう調整するのか考えてみましょう。ひとつの方法として、睡眠時間全体を後ろにずらすことを考えてもよいでしょう。(榊原洋一さん)

©NHK

※本記事は、 NHK 「すくすく子育て」のホームページの記事を元に構成・編集・加筆しています。記事を読んでもっと知りたいことがありましたら、ぜひ「マムアップパーク by 健幸スマイルスタジオ」にご参加ください。お待ちしています!
※記事の内容や専門家の肩書などは2024年7月当時のものです。