「子どもの発熱・体調不良③」では、体調不良時の栄養補給問題にスポットをあてます。お子さんを心配するあまり弱気になりがちなママ・パパへの専門家からのメッセージも!

専門家:福井聖子(大阪府小児救急電話相談事務所長/小児科専門医)
白石裕子(東京工科大学 医療保健学部看護学科 教授)

【目次】
食欲がないときの水分補給や食事はどうすればいい?
専門家の「これだけは言っておきたい」メッセージ

食欲がないときの水分補給や食事はどうすればいい?

1歳6か月の娘が手足口病になり、口の中にびらんができて何も食べなくなりました。いつもは大好きなバナナやイチゴ、オレンジジュースなども一切受けつけず、摂取できたのは母乳のみ。卒乳後が心配です。食欲がないときはどうしたらいいのでしょうか。

口の中に異常があるときは、とにかく「飲めるもの」を

手足口病や口内炎、喉の痛みなどがあると、硬いものはもちろん、酸味のあるものもしみてしまうので、イオン飲料、かんきつ系のジュース、果物なども嫌がると思います。飲みやすいものを与えてください。卒乳後は、成長にしたがってもう少しいろいろなものを受け入れることができるようになりますし、「これはダメ、これは食べる」が意思表示できるようになるので対応しやすくなると思います。(回答:福井聖子さん)

味覚が変わるのでいろいろ試して。「飲めている」ならまずは大丈夫

口の中が痛くないようなら、発熱時の母乳以外の水分補給としては乳幼児用のイオン飲料がよいでしょう。大人向けは成分が違うので、必ず乳幼児用を飲ませてあげてください。大人でも、具合が悪いときには味覚が変わります。その時に何を好むかは、トライ&エラーでいろいろ試してみてください。離乳食なら1つ前の段階に戻すとスムーズに行きやすいです。
親の心境としては、やはり子どもが飲んでくれない、食べてくれないと焦ってしまいますよね。でも、ふだん元気にしているお子さんでしたら、具合が悪くなって食べる量が減ったとしても、回復すれば体がまた受け付けるようになりますので、心配しすぎないでくださいね。(回答:白石裕子さん)

専門家の「これだけは言っておきたい」メッセージ

親の「何か変」は貴重な情報。ぜひ受診時に伝えて

お子さんのことをふだんからよく見ているお母さんやお父さんの『何か変』という違和感は、本当に貴重な情報になります。そうしたところを受診時に一緒に伝えていただけたらと思います。(白石裕子さん)

看病の歴史は子育ての歴史

病気にかかることは、子どもが免疫力をつけていく重要な過程です。乗り越えることが大事なんですね。一生懸命看て、いろいろと考えてあげてみてください。そういうやりとりが、親子の歴史、子育ての過程になっていくと思います。(福井聖子さん)

©NHK

※本記事は、 NHK 「すくすく子育て」のホームページの記事を元に構成・編集・加筆しています。記事を読んでもっと知りたいことがありましたら、ぜひ「マムアップパーク by 健幸スマイルスタジオ」にご参加ください。お待ちしています!
※記事の内容や専門家の肩書などは2024年7月当時のものです。