
電車やバスなどの公共交通機関で、子どもがぐずりだすと途端に気になる周囲の目……。
おでかけ時間が長くなると、赤ちゃんにご機嫌でいてもらうためにはそれなりの工夫が必要になってきます。
外出先のレストラン等も、親としては気をつかう場。
「おでかけのキホン」②では、先輩ママパパたちのアイディアや専門家からのアドバイスをお届けします。
専門家:福井聖子(小児科医)
【目次】
・公共交通機関を長時間利用するときは?
・スマホを頼ると周りの目が気になる……
・デジタルツールとのつき合い方
公共交通機関を長時間利用するときは?
母親ひとりで子ども2人(6歳、1歳1か月)を連れて新幹線に乗ったときのこと。お菓子やおもちゃを用意して準備万端!と出発したものの、しばらくすると下の子がぐずり始め、上の子も不安になったのか泣き出してしまい、他のお客さんを気にして席を立つことになりました。長距離移動時、どう切り抜ければいいですか?
先輩のアドバイス:もっとも平和なのは「お昼寝してもらうこと」
赤ちゃんとの長距離移動は、お昼寝の時間に合わせるのが一番スムーズという先輩ママパパが多数。スケジュール的に難しくても、例えば出発前にたくさん遊んで、お腹をいっぱいにしてから移動するとすんなり寝てくれることが多いようです。
先輩のアドバイス:起きているなら、複数の選択肢を
熟練の先輩ママパパは、子どもがずっと起きている場合にそなえ、飽きさせないように複数の選択肢を用意しています。シールブックやかんたんなおもちゃなど、お気に入りのグッズを選んで持参します。キャラクターの指人形はかさばらないうえ、とても便利だそう。ママが言うと聞いてくれなくても、指人形が話すようにしたらすんなり聞いてくれるのだとか。好きなおやつや飲み物などを用意する親御さんも多いですね。
特別なイベントで、いつもの生活リズムがくずれてしまうのが心配です。
専門家より:生活リズムは数日間で調整可能
ふだんは食事やお昼寝など、一日のリズムがあると思いますが、イベントの日は「この日をどうもっていくか」が大事になりますよね。このときを「いかに楽しくうまくやるか」を重視して、いろいろ考えてみてください。いつものお昼寝時間とずれてしまっても、その後2,3日~1週間くらいかけて生活のリズムを調整していけばまったく問題ありません。(福井聖子さん)
スマホを頼ると周りの目が気になる……
毎日、食材の買い出しなどのため、3か月の息子と一緒に外出しています。寄り道をしたり、友人と会ったりして、2時間以上の外出になることもあります。感染症が心配で、繁華街を抜けるときなどはベビーカーのひさしを下げるなどしていますが、赤ちゃんとおでかけするときの感染症対策はどうしたらよいのでしょうか。
先輩のアドバイス:スマホ活用を前向きにとらえてもいい!
「スマホ育児」という言葉が一般的になり、厳しい目が注がれることもある現代。苦肉の策で子どもにスマホを見せても、親がかえって気疲れしてしまうのはつらいですよね。でも、ぐずり対策にスマホが効果的なのは多くの親御さんが実感しているところ。「以前は周りの目を気にしていたが、特別な外食時くらい親がリラックスできる環境を作るのも大事だと考え、あまり気にしなくなった」「子ども用の知育動画サイトを、教育の一環ととらえて見せている」など、親御さん自身がスマホを前向きにとらえて活用しているという声も多く上がっています。
専門家より:大きな声で「今日は特別よ」
周囲が気になるときは、「今日は特別だよ」「この番組だけにしようか」などと、周りにも聞こえるくらいの声で言ってみるといいかもしれませんね。(福井聖子さん)
デジタルツールとのつき合い方
専門家より:乳幼児期は「実物を見る」ことを優先に、バランスをとりながら
眼の機能が成長する乳幼児期は、実物を見ることが大事です。スマホ画面は平面ですが、実物には奥行きがあります。たとえばリンゴひとつでも、手前と向こう側で眼のピントの合わせ方が違うわけです。また、実物なら手触り、味、においなど、全て含めて、実感としてリンゴを学習することができます。周囲からの言葉がけも、「どんなにおいかな」「おいしいね」のように、バリエーション豊かになります。乳幼児期は特に、実物に触れる体験を増やしてバランスをとりながら、スマホなどのデジタルツールもうまく使いましょう。(福井聖子さん)
©NHK
※本記事は、 NHK 「すくすく子育て」のホームページの記事を元に構成・編集・加筆しています。記事を読んでもっと知りたいことがありましたら、ぜひ「マムアップパーク by 健幸スマイルスタジオ」にご参加ください。お待ちしています!
※記事の内容や専門家の肩書などは2024年7月当時のものです。