
赤ちゃんの遊びにはいつも親がついているべき?1人遊びを始めたら放っておいてもいいの?子ども同士での関わりを増やすべき?
子どもはさまざまな遊び方によって、さまざまな学びを得ています。専門家から詳しくお話をうかがいましょう。
専門家:汐見稔幸(東京大学 名誉教授/教育学)、岩佐寛子(日本助産師会/助産師)
【目次】
・1人遊びが増えてきた。親も一緒に遊んだほうがいい?
・他の子どもたちとの関わりを積極的に増やすべき?
1人遊びが増えてきた。親も一緒に遊んだほうがいい?
10か月になって、息子の1人遊びが増えてきましたが、親が一緒に遊んであげたほうがよいのか迷っています。1人よりも親子2人で遊んだほうが、子どもがより多くのことに気づけるのではないかと思う反面、1人遊びで得られるものもあるのではないかと気になります。
1人遊びは探求心の芽生え
1人遊びをしているとき、子どもは「これは何だろう」「どうなっているんだろう」といろんなことに関心を持って“探求”しています。これはとても大事なことです。何かがあれば、声を出したり泣いたりして、必ず助けを求めてきますので、そのときに「どうしたの?」と反応してあげてください。そうすると、子どもは「困ったときにはちゃんと応えてくれる」と感じ、それが安心の土台となっていきます。安心の土台があれば、子どもはさらなる「探求」へと進んでいくことができるでしょう。一歩引いて見守ることが子どもの成長を助ける場面も多いのです。(岩佐寛子さん)
親子遊びは、子どもの1人遊びのお手伝い
子どもの「遊ぶ力」は、基本的には「1人で遊ぶ」方向に発展していきます。1人で遊べるようになることは大きな進歩です。おもちゃの使い方を教えるなど、大人が手伝うこともありますが、このときも子どもは「1人で遊んでいる」感覚。その後、自分でできるようになると、いろいろなことを試しながら一生懸命に遊びます。そんなとき、子どもの中では他者のいない、自分だけの世界が展開されています。(汐見稔幸さん)
相手がいると楽しい「ごっこ遊び」にはとことんつきあう
子どもが2歳くらいになると、「ごっこ遊び」をするようになります。この遊びは相手がいるほうが楽しいので、ママ・パパも楽しみながら相手をしてあげましょう。(汐見稔幸さん)
他の子どもたちとの関わりを増やすべき?
娘がもうすぐ1歳になりますが、保育園に通わせる予定はありません。他の子どもたちとじっくり関わる時間が少ないため、社会性が育ちにくいのではないかと不安です。
「誰かが助けてくれる」という経験が社会性を育てる
0~2歳ごろは、人と関わる基礎力をつける時期。もっとも関係の近い親子の関わり方が大事です。何かがあれば「大丈夫?」と声をかけ、つらいことがあったら必ず抱きしめてあげる。こういったことを無条件にくり返していると、子どもは「何があっても助けてもらえる」と感じ、やがて親ではない他者に対しても「自分の味方なんだ」という感覚を持つようになります。この経験が他者に対する信頼感の下地になり、3~4歳になったときに人と上手に関わっていけます。これが「社会性」です。0~2歳までは、「自分は愛されている」という感覚を育てることがいちばん大切です。たくさんの子どもたちと関わるだけで社会性が育つわけではないのです。(汐見稔幸さん)
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※本記事は、 NHK 「すくすく子育て」のホームページの記事を元に構成・編集・加筆しています。記事を読んでもっと知りたいことがありましたら、ぜひ「マムアップパーク by 健幸スマイルスタジオ」にご参加ください。お待ちしています!
※記事の内容や専門家の肩書などは2024年7月当時のものです。