月齢の低いうちは、赤ちゃんと親御さんが二人きりで過ごす時間が多いもの。言葉もわからないのに、どう声をかければいい?毎日、同じことの繰り返しで大丈夫?
「小さい赤ちゃんとどう遊んだらいいかわからない」というママ・パパへ、親子で過ごすときのヒントをご紹介します。   

専門家:汐見稔幸(東京大学 名誉教授/教育学)岩佐寛子(日本助産師会/助産師)
保育園協力:青砥福祉保育園 

 

【目次】
同じことのくり返しで大丈夫?もっと刺激が必要?
赤ちゃんとの遊び、基本の3パターン

同じことのくり返しでも大丈夫?もっと刺激が必要?

6ヶ月になって子どもの動きが活発になってきましたが、同じことのくり返しで生活や遊びに変化がありません。育児書には「赤ちゃんのころから刺激を与えたほうがいい」と書かれているし、どんどん成長する大事な時期に、もっといろいろな遊びをした方がよいのではと焦ります。  

くり返すことで、先を見通す力が育つ 
くり返すことは、実は赤ちゃんにとってとても大切なことです。同じことを同じリズムでくり返してあげると、子どもは徐々に「“これ”が終わったら“あれ”が始まる」といったように、先を見通す力を身につけていきます。「飽きてしまっているのでは?」と心配かもしれませんが、小さいころは処理できる情報も少ないので、新たな刺激を急ぐことはありません。(汐見稔幸さん)

「新たな刺激」よりも「安心感」を 
子どもがうれしそうな表情をしているなら、同じことのくり返しで十分です。とくに月齢の低いうちは、親子でスキンシップをとることを大切にしましょう。子どもに安心感をもたらすことも、とても大事なことです。(岩佐寛子さん)  

赤ちゃんとの遊び、基本の3パターン

乳幼児期の遊び方には3つのパターンがあるといいます。 

1.声や体を使った遊び 

ママ・パパの声や体を使った遊びです。赤ちゃんをくすぐったり、手遊び歌で遊んだり。歌いながら赤ちゃんの手足を動かしてあげるのも、よいスキンシップになります。「だっこ」だって、赤ちゃんにとってはうれしい遊び。どんどんスキンシップをとり、赤ちゃんに安心感を与えてあげましょう。 

★保育園では? 

子どもたちが大好きなリズム遊び。写真は、わらべ歌に合わせて、新聞紙で作った輪っかを頭に乗せたり落としたりしながらリズムをとる遊びです。 

2.おもちゃを使った遊び 

おもちゃといっても特別なものは必要ありません。かんたんにできる手作りおもちゃでいいのです。かんたんで遊び方の決まっていないおもちゃほど、子どもが自由にイメージしていろいろな遊びができます。子どもの想像力・創造性はこうして育まれていきます。  

★保育園では? 

チェーンやボウル、ゴムホースなど、身近で安全な物で、子どもたちはさまざまな遊びを楽しんでいます。 

3.自然を利用した遊び

散歩のときに空を見たり、ひなたぼっこをしたり。風の音を聴いたり、雨を眺めたりすることだって、子どもにとっては十分に五感を刺激される、素敵な遊びです。自然のなかに身を置くだけで、たくさんの刺激が赤ちゃんに降りそそいでいるのです。  

★保育園では? 

砂遊びでは、子どもたちは砂の感触や、砂の形が変わる様子に興味津々。泥んこになると親としては洗濯が心配になりますが、自然の中で五感を育むのはとても大切なことです。 

②「赤ちゃんとどう過ごす?1人遊び?親子遊び?子ども同士で?」に続く

©NHK
※本記事は、 NHK 「すくすく子育て」のホームページの記事を元に構成・編集・加筆しています。記事を読んでもっと知りたいことがありましたら、ぜひ「マムアップパーク by 健幸スマイルスタジオ」にご参加ください。お待ちしています!
※記事の内容や専門家の肩書などは2024年7月当時のものです。