
産後の体の不調は、デリケートな部分のトラブルが多く、周りと共有しづらいイメージがありますね。
ですがその悩み、あなただけではありません!
「産後の体の不調」②では、多くのママが悩んでいるさまざまな産後トラブルについて、
専門家に対処方法を教えていただきます。
専門家:笠井靖代(日本赤十字社医療センター 産婦人科医)
岩佐寛子(東京都助産師会 助産師)
【目次】
・産後のお尻の悩み
・産後の腰痛、肩こり
・産後のおっぱいの痛み
産後のお尻の悩み
出産がきっかけで痔(じ)になってしまいました。子育てに追われているし、何より恥ずかしいしで、相談できずにいます。対処法はありますか?
妊娠・出産・育児は便秘・痔の悪化要因だらけ
妊娠・出産・育児、それぞれの場面で、痔や便秘が悪化する要因はたくさんあります。
妊娠中:子宮の中で赤ちゃんを育てるためには、子宮の筋肉があまり収縮しないほうがいい。 そこで、女性ホルモンは、子宮を収縮しにくいように維持している。このとき、同じ平滑筋である腸の筋肉の動きも抑制される。おなかが大きくなるので、物理的にも腸の動きが悪くなる。
出産時:長くいきむことで、便秘・痔の悪化に影響する。
産後:授乳のため、かなりの水分が母乳の方に分泌される。そのため、便が固くなる。 (笠井靖代さん)
朝起きたら1杯のお水と適度な運動、症状によっては受診を
対処法は、朝起きたら1杯のお水を飲んで、少し体を動かすことです。体を動かし、腸も動かし、それから朝食をしっかり食べましょう。そして、体を冷やさないようにし、肛門を清潔に保つこと。便意を感じたら我慢をしないことも大事です。なるべく朝に排便できるといいですね。
次のような症状がある場合は、病院などに相談してください。
<こんなときは肛門科や大腸外科などの受診を!>
・排便時に出血がある
・痔が痛む
・排便時に肛門から痔が飛び出す
・痔が出たまま戻らない
・ 粘液がしみ出して下着を汚す など
最近では、女性が受診しやすい、プライバシーに配慮した診療科も増えています。どこに行けばよいのか、お産をした病院で相談してみるのもひとつの方法です。(笠井靖代さん)
産後の腰痛、肩こり
産後6か月です。育児に不慣れなせいか、体のあちこちで痛みを感じます。例えば授乳のとき、子どもの目を見ようと前かがみで無理のある姿勢になってしまい、そのせいか肩のこりを強く感じるようになりました。離乳食のときも、赤ちゃんの相手をするときも、おむつ替えも前かがみで、腰への負担も感じています。もう少し楽にできる方法や、痛みの解消法があれば知りたいです。
赤ちゃんが飲み始めたら姿勢を正す
授乳のとき「お口の含み方がうまくできているか見てね」などと言われると、よけいに前かがみになってしまいますよね。そうすると、骨盤も背骨も傾いて、全体的な痛みが生じてきます。赤ちゃんがうまく飲み始めたなと思ったら、少し姿勢を正して、正面を向くようにしてください。また、呼吸に合わせて肩をゆっくり回してみましょう。肩がずいぶんほぐれますよ。 なかなか時間がないとは思いますが、ちょっとした時間で、自分のメンテナンスをしていきましょう。(岩佐寛子さん)
腸腰筋(ちょうようきん)の緊張をほぐす
腰痛も前かがみが影響しています。腸腰筋(ちょうようきん)という、背骨と脚の付け根の内側につながっている細長い筋肉があります。腸腰筋は、前かがみだと常に緊張した状態になります。それを少しゆるめてあげましょう。たとえば、椅子に座って、貧乏ゆすりのように脚を上下左右に揺らすと、緊張がほぐれ腰痛が和らぎます。気がついたときに、ほぐすようにしてください。(岩佐寛子さん)
産後のおっぱいの悩み
産後9カ月ですが、おっぱいが頻繁に詰まってしまいます。痛みが強烈で、また詰まってしまったらとおびえる日々です。何かできることはありますか?
飲み残しをケアし、乳腺炎を予防
おっぱいの痛みは人間特有の乳腺炎によるもので、四つ足動物は基本的に乳腺炎になりません。授乳のとき重力でおっぱいをあげやすいことなどがその理由と考えられます。
乳腺炎の予防には、いつも同じ部分に飲み残しが生じないようにすることが大切。たとえば、ベッドなどに赤ちゃんを寝かせ、飲み残しのしこりの部分が赤ちゃんの下あごにくるようにして授乳してみてください。(笠井靖代さん)
信頼できる助産師さんと早めにつながっておこう
乳腺炎の原因には、疲れや体の冷えも関係しています。温かいハーブティなどを飲んで、リラックスする時間をつくってみましょう。詰まりを感じたときには、早めに助産師に相談してケアを受けてください。(岩佐寛子さん)
授乳トラブルに限らず、体の不調を感じたら、ひとりで解決しようとがんばらずに助産師などの専門家をぜひたずねてください。信頼できる専門家とのつながりがあると、気持ちのうえでも子育てがとても楽になりますよ。
©NHK
※本記事は、 NHK 「すくすく子育て」のホームページの記事を元に構成・編集・加筆しています。記事を読んでもっと知りたいことがありましたら、ぜひ「マムアップパーク by 健幸スマイルスタジオ」にご参加ください。お待ちしています!
