
ここでは「弱視」、「遠視」、「乱視」、「斜視」など、
小さな子どもで気をつけなければならない目の状態についてくわしく解説します。
視力を改善できるかどうかは、脳の発達期間とも大きく関係します。
早いうちに見つけて、視力を伸ばしてあげたいですね。
専門家:仁科幸子(国立成育医療研究センター 眼科医長/眼科医)
三井田千春(国立成育医療研究センター 眼科/視能訓練士)
【目次】
・50人に1人はいる「弱視」
・立体視が育ちにくい「斜視」
50人に 1人はいる「弱視」

弱視とは、何らかの原因で網膜に鮮明な映像が映らなくなったため、視神経から脳まで正しい情報が伝わらず、脳での情報処理が育たなくなっている状態です。50人に1人は、弱視の子どもがいるといわれています。
弱視になると、ものを近づけても離してもピントが合わず、はっきりと見ることができません。「近視」の場合はメガネをかければ見えるようになりますが、「弱視」の場合は、ものを見る脳の機能そのものが育っていないため、メガネをかけても見えないのです。
弱視に気づかないまま大人になると、脳の発達期間が終わっているので、治療することができません。子どものうちに、早く弱視の原因を見つけて治療を始めれば、ほぼ正常な視力に近づけることができます。(仁科幸子さん)
強い遠視、強い乱視に注意
まず近視、遠視、乱視の違いを知っておきましょう。

「近視」とは、網膜の手前にピントがきてしまい、遠くのものが見えにくい状態です。近い距離であれば、ピントが合ってはっきり見ることができるので、視神経と脳の発達が促されて視力が育ちます。

「遠視」とは、網膜の後ろ側にピントがきてしまう状態です。「強い遠視」は、脳にぼやけた映像しか伝わらないため、視力が育ちません。この場合、治療が必要になります。

「乱視」とは、眼球のひずみで縦方向と横方向のピントが1か所に合わないため、網膜の中心に正しい映像が映らない状態です。「強い乱視」は、脳に鮮明な映像が伝わらず、視力が育ちません。この場合、治療が必要になります。
子どものころに気をつけたいのは、片目、または両目の強い遠視や強い乱視です。脳の機能が発達しないため、「弱視」の原因となります。(仁科幸子さん)
「弱視」を見やぶるサイン
子どもが弱視かもしれないとわかる、サインのようなものはありますか?
・ものを見るとき目を細めている
・画面を見るとき顔がつくぐらいの距離になっている
・顔を傾けたり横目で見ている
・左右どちらかの目を隠したときに嫌がる
左右どちらかの目を隠したときに嫌がる場合は、片目だけが弱視になっているかもしれません。これらのサインが見られるときは、病院で受診をしてください。(三井田千春さん)
立体視が育ちにくい「斜視」
立体視と斜視
左右の目からの情報を脳で処理して、ものの立体感や奥行きをつかむしくみを「立体視」といいます。実は、左右の目からの情報には少しのずれ(視差)があり、脳が対象物を立体的に認識するための手がかりになります。立体視が育つためには、両目の視力が必要です。
「斜視」は、左右の目の視線が、片目だけずれている状態です。ずれているほうの目は、脳まで情報が伝わらず「弱視」になることもあります。左右で視線が大きくずれると、脳が両目の情報を一緒に処理できないので、立体視のような両眼視機能が発達しなくなることもあります。特に、生後6か月くらいまでに斜視になった場合は、そのままでは立体視が育ちません。できるだけ早く原因を見つけて治療を始めることが大切です。(仁科幸子さん)
息子が1歳8か月のとき「斜視」であることがわかってから、お風呂と寝るとき以外は治療のためのメガネを常にかけています。斜視だと、ものの動きや距離感がとらえにくく、つまずきやすく、運動が苦手になりやすいと聞きます。息子も、以前はよくつまずいていましたが、メガネをかけてからは、あまりつまずかなくなりました。
今後、水泳や激しい運動時にはメガネを外さなければいけなくなるので、危険はないか心配しています。
短時間ならメガネを外しても大丈夫
メガネを外しても、短時間であれば治療に影響することはありません。また、メガネなしでも身近なものはおおよそ見えています。全く見えなくなるわけではないので問題はないと思います。激しい運動をするときにも使用できるタイプのメガネもありますので、場合に応じて対処しましょう。(仁科幸子さん)
斜視かどうかを簡単に判断する方法はありますか?
フラッシュを使った写真で斜視がわかる
カメラで子どもを撮影することで、斜視であるかどうかを調べることができます。フラッシュを使って正面から撮影し、写真の瞳に映ったフラッシュの光の点を確認してください。

フラッシュの光が、両目とも黒目の真ん中に映っている場合は、斜視がない状態です。これを「正位」といいます。

光が黒目の中心に映らず、ずれている場合は斜視の疑いがあります。(三井田千春さん)
©NHK
※本記事は、 NHK 「すくすく子育て」のホームページの記事を元に構成・編集・加筆しています。記事を読んでもっと知りたいことがありましたら、ぜひ「マムアップパーク by 健幸スマイルスタジオ」にご参加ください。お待ちしています!
